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うれしくて泣いたこと

私は25歳の時に結婚した 
結婚式を挙げたわけでもないから「入籍した」というほうが正しいかもしれない
小さい頃から特に「花嫁さん」に夢があったわけでもなく 恋人が欲しいとか結婚したいとか思ったことがなかった
そりゃ好きな人はもちろんいたよ
でも 好きだから付き合いたい デートしたいってところまでは思わなかった

私の両親の宗教は男女交際に厳しい
・デートは二人だけでしてはいけません 誰か年上の監視役をつけなさい
・お付き合いしたり結婚するのは同じ信仰にある人とのみ
・婚前交渉厳禁 手をつないだりキスをするのは婚約してから

親が宗教をやりだしたのは わたしが5歳の時
でも小学校に入ったとき もう私には↑の男女交際原則がしっかり叩き込まれていて
近所のお兄さんのことが好きになったけれど 6歳にして
「こんな気持ちをもったら神様に怒られるなあ 親にも怒られるなあ 誰にも言えない・・」なんて考えるようになっていた
こんなことを小さな頃から考えていたら 恋や愛に憧れるなんてこと難しいよね
あたしの中では「恋愛って後ろめたいもの はっきり言えば悪い事」ってイメージ
誰かを好きな気持ちはあっても 告白したり付き合ったりすることなんて考えられなかった

また 終末思想のきつい宗教で 私は2000年がくることはないんじゃないか?その前にこの世は終わるんじゃないか?って思っていた
もちろん宗教の仲間もそれを信じているから
・結婚しても子供はつくらないことが勧められている←この世の終わりが近い時期には子育てより布教活動をするべき
・教育は高校までで十分←高学歴よりも布教活動に時間を使うべき
こんなルールもまかり通っていたから 子供を作ることを選択した夫婦や 大学に進んだ子供はちょっと白い目で見られてしまう

なんだかんだいろいろあって あたしは宗教を離れることができた
結婚なんて遠い話だって思っていたのに いい人とめぐり合って幸せいっぱいの今がある
もう宗教なんて関係ないし 私もそのうち子供を持つのだろうと思っていた
でも子供を持つことについて話すとき 彼の反応はイマイチ
あたしの大きなお尻を笑って「そんな立派なおしりやで 子供生まなかんぞ」とか
「おれがおらんくても 1人で子供育てられそうやな」とか なんかヒトゴトのようなのだ
子供いつ作る?とか子供は何人ほしい?とかそういう具体的な話は出てこない

二人で暮らしだして とんでもなく毎日が楽しくて なかなか子供を作る「勇気」が出てこない
そのうち「世界旅行しよう」ってことになって日本を飛び出してしまった
でも彼は日本に帰る頃にはもう38歳 この景気の悪さで帰ってから仕事あるかしら?と不安な気持ちを抱えてもいる
先日 私は彼に言った
「もし例えばコンビニ勤務のバイトとかしかなくても 一ヶ月に1人10万円しか稼げなくても 二人で稼いだら20万 暮らせるよ!!」
「二人で一生懸命働けばいいじゃん あたしには全然これっぽっちも不安はないよ」
それを聞いていた彼が「二人で働くのはもちろんいいけど 子供はどうするの?子供いたら二人で働けないじゃないか」
「え?子供欲しいの?子供作るの?」
「あたし ○○くんはあんまり子供いらないのかと思っていたんだけど・・・」

「結婚したら子供を作るのは 当たり前でしょ?わざわざ言うもんでもないんじゃない」
「あひことなら子供を作って一緒に育てていけるなあと思うから結婚するんだよ」
「小さなあひこがいっぱいおったらかわいいなあと思うよ」    (あひこはあたしのあだ名)
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ブヒー 
あたしはとっても驚いた そしてとてもうれしかった
結婚したら子供を作るって普通のことなんだ!
そしてあたしもその営みに参加できるんだ!
彼はわたしと子供を作ろうって思っていたんだ!知らなかった!
うれしくて涙がでてきた ベッドの上にいたからしばらく枕をかぶってじわじわと泣いてた
夜になって寝ようと思っても さっきの彼の言葉を思い出して涙がどんどん出てくる
泣いているあたしに気づいた彼がよしよししてくれるけど うれしくて余計涙が出てくるさ!

びっくりしたんだけど 思いがけないところで 私の中にまだ宗教の考え方が残っている
そりゃ子供時代ずっと教えられてきたことだから 今すぐ100パーセント抜けるとは思っていない
でも「こうやって習ってきたけど この考え方は一般的な常識では正しくないな」と自分を修正できているつもりだった
彼と結婚して 子供を作ることに後ろめたさを感じる世界の外に足を踏み出したと思っていた
でも私の中はまだ「子供を作ることは当たり前だよ」って思えてなかったんだな
子供を持つことが当たり前の世界に来たけど 自分がその当事者になることに実感が持ててなかった
ヒエー
こんなに奥深くまで巣食う教え・・・・恐ろしや~
でもあたしはめげない!
大事な人生 一生懸命楽しく生きていくんだもの!

by akari-ahiru | 2009-12-01 09:19 | 日常  

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